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●主人公・祐介には、人気劇団「STAR★JACKS」のメンバーとして活躍中の浜口望海。家族への思いを胸に秘めた青年を、見事に演じきった。

 祐介と共に実家に帰る事になった恋人・友里には山路梨瀬。飄々と物語に風を吹き込む役柄は、日だまりのような暖かさを作品にもたらしている。

 頑固一徹な氷職人・圭司には、関西芸術座の実力派男優・門田裕。少ない台詞のなか、父親の持つ厳しさと哀しさを感じせる佇まいが素晴らしい。

 他にも川本美由紀、寺下貞信、齋藤誠など関西を代表する演技派が集い、深い感動作を支えている。
●晩秋の町に起こる物語を静謐な映像に刻み込んだのは、近年の横田作品を支える照明マン岸田和也を始め、大淵博道(撮影)宮井昇(録音)野口雄介(美術)横山健二(編集 )など一流スタッフ達。

 山根康広や円広志のサポートメンバーとして高い評価を受けるピアニスト島田篤が透明感のあるスコアを提供しているのも話題のひとつだ。


●写真/舞台となった高橋製氷店での撮影風景。4年振りに実家に帰った祐介は祖父・周太郎の遺体と対面する。左から浜口望海、山路梨瀬、川本美由紀、台本を持って指示をしているのが大淵博道(撮影)、横田丈実(監督)、宮井昇(録音)
 
●2005年横田監督は一冊の写真集と出会う事になる。タイトルは「大和川慕情」。

そこには様々な大和川の姿が並んでいた。

朝日に輝く荘厳な姿。
凍てつく朝の押し黙った姿。
夏祭りの傍ら楽しげに流れる姿。
時にはゴミにまみれ、汚れた姿もー。

心引かれた監督は何度もページを繰る事に。やがて生まれたのが本映画の構想である。


 映画の撮影が行われたのは大和高田市。
 昭和の香りが息づく魅力的な町だ。


 ●右上/映画の舞台となった高橋製氷店は、戦
 前に建てられ現在も営業を続けている。木づく
 りの風情が素晴らしい。

 ●右中/商店街の大衆演芸場弁天座での撮影
 風景。公演中の市川千太郎一座が特別出演。

 ●右下/現在も営業する瓦葺き屋根の銭湯。祐
 介が風呂に入るシーンで登場。

 ●左下/1600年に創建され市の文化財となって
 いる専立寺。映画の中では祖父・周太郎の葬
 儀がここで行われた。

●映画「大和川慕情」の大和高田市での撮影には「夢咲塾」さんが全面的に協力してくださいました。

夢咲塾とは、大和高田市の「まちづくり」と「ひとづくり」を通じて、夢のある未来を創造することを目的とするまちづくりのボランティア団体です。

現在、正会員:24名、準会員1名、賛助会員:2名、全ての方がボランティアです。主婦・自営業・公務員・会社員・教員等多彩なメンバーで構成されてます。



●写真/大和高田市天神橋商店街での撮影終了後。スタッフ、役者、夢咲塾のみなさんとの記念写真。






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映画「大和川慕情」公式サイト 2009年/日本/DV/72分/16:9 監督:横田丈実 出演/浜口望海/山路梨瀬/門田裕/川本美由紀